台湾でのスマートファクトリーにおけるAI活用を目指す「2019 HackIDB x NVIDIA」コンペティションにて、準優勝
台湾で開催された「2019 HackIDB NVIDIA」コンペティションに出場し、ディープラーニングを用いたPCB基板の不良品検出モデル開発で全チーム中第2位!
株式会社インキュビット(本社:東京都渋谷区、代表取締役/ CEO:北村 尚紀)は、GPUの開発・販売で最大手であるNVIDIA Corporation(本社:米国、以下、NVIDIA)と台湾の経済省経済局が共催したコンペティション「2019 HackIDB NVIDIA Embedded Innovation Development Competition」にて、他7社とともにファイナルに選出され、今年3月から約4ヶ月間に渡り、台湾の台北にて実施された本戦に参加しました。ディープラーニング技術を用いて、PCB基板の不良品検出を行うモデルを開発し、全チーム中2位に入賞しました。
■コンペティション背景
HackIDBコンペティションは、台湾の経済省経済局が人工知能技術のさらなる発展と、スマートファクトリー内での有効活用、および革新的なアプリケーション開発の促進を目的とし、主にスタートアップ企業を対象として2018年に創始したコンペティションです。
第2回目となる今回は、GPUの開発・販売で最大手であるNVIDIAとの共催で行われました。
NVIDIAは、自動光学検査装置(AOI:Automated Optical Inspection)を用いてPCB基板の検品作業を行っていますが、AOIは不良品の誤検知率が高い傾向があり、人の目を用いた二重の検査に多くの工数を要するという課題があります。NVIDIAが共催した背景には、ディープラーニング技術を用いた検品システムを開発・導入することによりこの課題を解決し、生産性を高めたいという期待がありました。
■コンペティション概要
NVIDIAは実際の製品に使われているPCB基板、およびラベル付けした様々なタイプの不良(例:取付不良、はんだ付け不良)が含まれるコンデンサーの画像をコンペティションに提供しました。
ファイナルに選出された8企業は、NVIDIAが無償提供した同社の最新鋭GPUマシンJetson AGX Xavierを使用し、PCB基板上の不良が含まれるコンデンサを検知するモデルをリアルタイムで開発し実行しました。
今回のケースは、学習データが2600件、そのうち不良品の教師データが50件しか与えられないという困難な条件でしたが、インキュビットは、さまざまな業界のクライアントに対して実用可能なソリューションを提供してきたこれまでの経験を活かすことで、効果的なモデルの開発と精度改善に成功しました。最終的にインキュビットが開発したモデルは96%の精度を記録し、その結果、コンペティションで2位となりました。
今回の結果を受けてインキュビット台湾支社のマネージャーYuanHung Kuoは「ディープラーニング技術を用いて日本企業と実績を出してきたインキュビットの技術力が証明できたのは素晴らしいニュ
ースです。NVIDIAが実際に直面している課題に取り組み、それを解決できる可能性が示せたのはとても嬉しいです。引き続き、画像認識テクノロジーの研究開発に取り組むとともに、積極的に日本および台湾の製造業をはじめとしたさまざまな業界の企業との協業を通じて、課題解決に向けた取り組みとイノベーション推進を目指していきたい」と述べています。
■「2019 HackIDB NVIDIA」コンペティションについて
NVIDIA公式サイト(中国語のみ)https://www.nvidia.com/zh-tw/autonomous-machines/jetson-challenge/